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電熱線が発熱する仕組みとは?電熱線製品を扱う際の注意点も解説


電熱線とは、電気を流す発熱する金属線のこと。すでにさまざまな電化製品に使用されています。

この電熱線が発熱する仕組みはどのようになっているのでしょうか?また電熱線を活用した製品を扱う際の注意点とは?わかりやすく解説します。さらに電熱線に代わる新しい温熱素材「CNTフィルムユニット」も紹介しますので、ぜひ参考にしてくださいね。

電熱線が発熱する仕組み

まずは電熱線とは何か、発熱する仕組みはどうなっているのかという点から解説していきます。

電熱線とは

そもそも「電熱」とは、金属類に電気を流すことで、発熱することです。この特性を活かした金属素材が「電熱線」です。電気を通すことで線自体が熱くなり、周囲を暖める金属線です。クロムとニッケルを合わせて作られたニクロム線が、長らく一般的に使用されています。

電熱線の大きな「電気抵抗」によって発熱

電熱線はどうして熱を発するのでしょうか。それは、電熱線には大きな「抵抗」があるからです。抵抗とは電気を流したときの通りにくさを指し、電流が抵抗を通るとさまざまな反応を示します。

例えば小学校の理科の実験で、電線をつなげた電気回路に電池と豆電球を置き、豆電球に明かりを灯す実験をしませんでしたか?あのときに豆電球に明かりがついたのは、豆電球に抵抗があるからです。
電気
の元になっている「電子」が、抵抗の大きな電熱線を通ろうとするとき、線の中で電子同士が何度もぶつかることによって、小さな振動が生まれます。この振動がエネルギーとなって、電熱線が発熱するのです。

熱エネルギーは「ジュール」で示される

電熱線で線自体や周囲が暖かくなるとき、そこには「熱エネルギー」が存在しています。このエネルギーの単位は「ジュール(J)」で示されます。この単位は、熱エネルギーだけでなく、運動エネルギーや光エネルギーなどにも共通するものです。暖かくなるからといって「℃」などで表現されるわけではないのですね。

電熱線を使った家庭用電化製品

電熱線が発熱する仕組みを理解できたところで、次は電熱線を使った家庭用の電化製品はどのようなものがあるのか見ていきましょう。実に多くの製品がありますよ。

電熱線を使った製品1. 電気毛布

電熱線を使用した代表的な製品といえば、電気毛布です。毛布の中に電熱線が張り巡らされており、毛布を通して体を暖めてくれます。「寒い冬は電気毛布がないと眠れない!」という方もいるのではないでしょうか。

また電気毛布より二回りほど小さいサイズで「電気ひざかけ」や「電気ブランケット」も販売されています。日常生活の中で利用しやすいサイズ感で、あまり場所も取らないのがメリットです。

電熱線を使った製品2. 電気ベストなどの電熱ウェア

電熱線はさまざまな衣類にも使用されています。例えば電気ベスト。バッテリーで充電しておくと、ベスト自体がとても暖かくなります。寒い時期に屋外仕事などをされる方にぴったりの製品です。

また足先を暖めたい方によく利用される「電気ソックス」、ベストよりも暖かさを感じられる「電気コート」なども販売されています。いずれも素材そのものの暖かさに電熱線の熱さが上乗せされるので、便利な防寒具として活用されているのです。

電熱線を使った製品3. 電熱線ヒーター(シーズヒーター、ニクロム線ヒーター)

電熱線の発熱を利用したヒーターも利用されています。以前はニクロム線を使用した、比較的安価な「ニクロム線電気ヒーター」がご家庭内によくありました。

しかし最近は、電熱線を金属管で覆って劣化しにくくしたシーズヒーターの方が一般的です。安価な製品では10,000円前後、省エネ機能などがついた多機能な製品だと30,000円前後で販売されています。

これ以外の電気ヒーター・電熱ヒーターについては、以下も参考になさってください。

おすすめ記事:電熱ヒーターの電気代はどれぐらい?種類ごとに調べてみた

電熱線を使った製品4. こたつ

冬のリビングを暖かくしてくれるこたつにも、電熱線が活用されています。よくこたつに入って発熱部分に手足を近づけると「熱い!」となりませんか?この熱い部分に電熱線が配置されているんです(やけどの原因になりますので、発熱部には近づかないようにしてください)。

近年はリビング・ダイニングでもこたつが使えるよう、脚の長い「ハイタイプ」のこたつも販売されています。エアコンの電気代を節約するためにこたつに切り替える、という方もいるようです。

電熱線を使った製品5. ヘアドライヤー

お風呂上がりに髪を乾かすヘアドライヤーにも、電熱線が使用されています。電源を入れると電熱線が発熱。その熱を、電熱線の後ろにあるファンによって前方に送り出し、髪に温風が届くという仕組みです。

家庭でエアコンやテレビなどをつけている状態で、ドライヤーのスイッチを入れて少ししたらブレーカーが落ちてしまったことはありませんか?これはドライヤーによって発熱する際に、意外と大きな電流が必要だからです。

電熱線を活用した製品の利用時に注意したい4つのこと

電熱線を利用した製品は身の回りに意外とたくさん存在しています。これらを利用する際に、注意していただきたいことがあります。それは主に以下の4点です。

  • 火災発生に原因になる可能性がある
  • 低温やけどの危険性がある
  • 電熱線は断線することがある
  • 脱水症状のリスクがある
それぞれの内容を確認していきましょう。

注意点1. 火災発生に原因になる可能性がある

1つ目の注意点は、火災発生の原因になるかもしれない点です。火災というと、天ぷら油やガスなどが原因になる印象があるかもしれません。しかし電熱線が発熱しているときに燃えやすい物質が近くにあると、そこから発火して火災を引き起こす可能性があります。

もちろん近年発売されている電化製品には、さまざまな安全装置や安全機能がついていますので、使用方法を守って利用する分には問題はないでしょう。しかしくれぐれもイレギュラーな使い方はせず、小さい子どもなどが近くにいる場合は、目を離さないようにしてください。

注意点2. 低温やけどの危険性がある

2つ目の注意点は、低温やけどの危険性があることです。
低温やけどとは
    通常ならやけどを負わないような温度に長時間触れることで起こるやけどのこと。具体的には、44度〜50度程度の電化製品などに、数時間触れ続けることで起こります。
電気アンカや湯たんぽ、ホットカーペット、カイロなどで負傷するケースが多いです。筆者も電気アンカが直接肌に触れる状態で寝てしまい、低温やけどによってぷっくりとした水ぶくれができた経験があります。

電熱線を使用した電気毛布や電気膝かけなども、低温やけどを起こす可能性があります。就寝時など意識のない状態で使用する際は、タイマー機能などを活用して長時間利用しないようにすると安心です。

注意点3. 電熱線は断線することがある

3つ目の注意点は、電熱線が断線する危険性です。電熱線はニクロム線などでできた金属線で、基本的には断線しにくいような工夫がされています。しかし電線である以上、折れる可能性があるのは事実。実際に、電熱線の断線による事故も過去に起きています。

特に注意した方がいいのは、製品の製造から長時間が経過している古い製品です。長らく保管していた電気毛布や電気ヒーターなどを久しぶりに利用する際は、故障していないか注意するといいでしょう。

注意点4. 脱水症状のリスクがある

4つ目の注意点は、脱水症状に陥る危険性があることです。電気毛布などを就寝時に使用していると、寒い冬などに汗をかくことがあります。これは体温が過度に上がっているからで、水分が汗として体内から放出されている状態。この状態のまま水分を摂らずに寝続けてしまうと、脱水症状を引き起こす危険性があります。

暖かい電化製品を使用しているときは、定期的に水分を摂り、脱水症状が起こらないように注意しておくといいですね。

電熱線の危険性をカバーした新素材「CNTフィルムユニット」

便利ではあるもののさまざまなリスクを伴う電熱線。この電熱線に代わって利用できる新しい温熱素材が開発されました。それがJERNANOの「CNTフィルムユニット」です。現在、国内特許だけでなく国際出願も行っています。

この素材はナノレベルの炭素素材を組み合わせて、フィルム状にしています。非常に薄くて布のように柔らかいため、トップスやボトムス、インナーなどさまざまな布製品への活用が期待されているのです。

電熱線と「CNTフィルムユニット」の比較

このCNTフィルムユニットは、どうやって電熱線のリスクをカバーしているのでしょうか?

例えば低温やけどのリスクに対しては、長時間使用していると自動的に電源が切れるような安全機能を搭載しています。利用者本人が意識せずとも、低温やけどを回避することが可能です。

また電熱線断線のリスクに関しては、フィルムを折り曲げに強くすることで、フィルムの折れリスクを回避しています。開発時の実験では、1万回以上の折り曲げに耐えられるという結果でした。

これ以外にもさまざまな特徴があるCNTフィルムユニット。詳細は以下の公式情報をご覧ください。

おすすめ記事:JERNANOカーボンナノチューブフレキシブルヒーターシステム

まとめ

電熱線は抵抗の大きなニクロム線などで作られており、電気を流すことでエネルギーを生み出して発熱します。線の周囲をすばやく暖めてくれるので、電気毛布や電気ベストなどの電熱ウェア、こたつ、ヘアドライヤーなどさまざまな製品に活用されています。

一方で、低温やけどや火災、脱水症状を引き起こすようなリスクがあることも事実です。そんな電熱線のリスクをカバーするような「CNTフィルムユニット」といった新素材も開発されています。

寒い時期は電熱線やCNTフィルムユニットによって暖かさを確保し、乗り切っていきましょう。

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