最も暖かい素材はどれ?素材ごとの特徴や冬におすすめの新素材を紹介
そこでこの記事では、寒い時期に着たい「暖かい服の素材」をまとめてご説明します。また新しく開発された温熱素材もご紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
寒い季節に欠かせない暖かい素材とは
まずは寒い季節に欠かせない暖かな素材を7種類ご紹介します。今お持ちの服を思い浮かべながら読んでみてくださいね。1.ダウン
1つ目はダウンです。ダウンはガチョウやアヒルなど「水鳥」の胸毛部分の毛のこと。非常に軽くて保温性に優れているのが特徴です。一般的にはアヒル(Duck)よりもガチョウ(Goose)の毛の方が優れているとされています。
2.フェザー
2つ目はフェザー。ダウンと同じくガチョウやアヒルなどの水鳥から採れますが、フェザーは軸の付いた羽根部分の毛を指します。ダウンと同じく保温性に優れていますが、ダウンよりも重いのが特徴です。よってフェザーの含有量が多いコートは、やや重さが目立ちます。
ダウンとフェザー、どちらが暖かいの?
ではダウンとフェザーのどちらが暖かいのでしょうか?原則、ダウンの方が柔らかくて密度を高めやすいので、ダウンを多く含むコートの方が暖かくなります。アパレルショップなどでよく販売されているのは「ダウン90%、フェザー10%」といった毛が混ぜてあるコートです。なぜフェザーが混ざっているのか?それは、ダウンの毛が寄ってしまうのを防いでくれるからです。
よって暖かさ重視なら、ダウンが90%程度と多く含まれているコートを選ぶとよいでしょう。
3.カシミヤ
3つ目はカシミヤです。カシミヤは「カシミヤヤギ」の産毛のこと。中国やモンゴル、イラン、アフガニスタンで多く生産されています。特に品質がよいのは中国産のカシミヤといわれています。動物の毛は空気を含みやすいので、非常にやわらかくて暖かいのが特徴です。コートやマフラーなどに活用されています。
注意点として、動物の毛は水に弱いです。よって自宅ではなくクリーニング店などで洗濯するのがおすすめです。
4.アンゴラ
4つ目はアンゴラ。アンゴラは「アンゴラウサギ」の毛のことです。カシミヤと同じく空気を取り込みやすいので、高い保温性を発揮します。手触りも見た目も柔らかい印象に仕上がるので、女性向けアパレルに多く活用されています。一方で品質の悪いものだと、毛のごわつきや抜け毛が気になることも。品質重視で選ぶといいでしょう。
5.ウール
5つ目は動物毛の代表、ウールです。ウールは羊毛の毛で、中国やオーストラリア、ニュージーランドで多く生産されています。カシミヤやアンゴラよりも比較的安価で購入できるのがメリットですが、生地にゴワつきがあって重くなりやすいのが注意ポイント。
重さが気になる場合は、ウールとアルパカ、ウールとアクリルなどの混合ニットを選ぶのがおすすめです。
6.アクリル
6つ目はアクリル素材。アクリルはウールに似たような性質を持つ化学繊維です。毛は水に触れることで縮みやすくなります。アクリルはこの収縮する繊維と、収縮しないような繊維を混紡することで、よりウールに近い風合いを出しているのが特徴です。ウールよりも比較的安価なので、プチプラのアパレルに多く活用されています。水分を吸収しにくい性質があるので、蒸れないようコットンのインナーを下に着ておくといいでしょう。
7.ポリエステル
7つ目はポリエステル。アクリルと同じく、人工的に作られた化学繊維です。ポリエステルは速乾性があり、しわになりにくいのが特徴で、パリッとしたワイシャツの素材などにも活用されます。一見暖かさとは無縁に見えますが、ウールなど天然素材を真似た「機能性ポリエステル」が開発されています。よってポリエステルなのに暖かい製品が多く流通しているのです。
暖かい素材でできた生地は?
こうした暖かい素材でできた生地には、どのような種類があるのでしょうか?代表的な生地3種を紹介します。1,コーデュロイ
まずは「コーデュロイ」。コーデュロイとは、生地の表面に「畝(うね)」がある、厚めの素材です。以前は「コール天(てん)」とも呼ばれていました。コーデュロイの素材は、綿やウールなど。特に暖かさを出す場合にウールが混紡されます。見た目にも暖かさがあるので、冬物のジャケットやパンツなどが多く作られていますね。
2.フリース
次は「フリース」。フリースはポリエステル製の起毛素材のことです。軽くて保温性に優れているので、元々はアウトドア向けの洋服に使用されていました。以前に大手アパレルチェーンが流行させたことで、現在は日常遣いされるようになっています。フリースは適度な厚みがあって自宅の洗濯機でも洗える「扱いやすさ」も魅力です。一方で火気に弱いため、火の元でも利用には十分に注意しましょう。
3.フランネル
「フランネル」も暖かい素材のひとつです。フランネルは、太めで短い毛を使った毛織物生地。正式名称を省略して「ネル」とも呼ばれます。生地の素材は、綿やウールなど。綿でできたフランネル生地は「コットンフランネル」とも呼びます。毛が隆起しているので、暖かさを保てるのが特徴です。また見た目にも暖かさがあるので、寒い時期のシャツやパンツなどに重宝されます。
「機能性インナー」などの素材はなぜ暖かいの?
寒い時期の味方といえば、「機能性インナー」です。近年では大手通販サイト・アパレルメーカーなどさまざまな企業が開発・販売しています。
この機能性インナーはなぜ暖かいのでしょうか?体内から出た汗などの水蒸気を生地が吸収して、熱に変える仕組みがあるからです。
さらには布地に薄い空気の層を作って保温性をもたせ、吸湿性をアップさせるなどの工夫も。素材の機能に合わせて綿やアクリル、レーヨンなどを混紡して作っています。
ウールやアンゴラニットなどの下にこうした機能性インナーを着れば、非常に暖まります。組み合わせて利用するといいでしょう。
さらに暖かい「電熱線」を活用したアパレルグッズ
こうした生地に、熱を発する「電熱線」を組み合わせた温熱製品が多く登場しています。主な温熱素材は以下です。暖かい新素材「カーボンナノチューブ」とは
電熱線に代わって今後活用を期待されるのが、JERNANO社が開発した「CNTフィルムユニット(CNTフレキシブルヒーターシステム)」です。CNTとは
開発したJERNANOは中国企業ですが、すでに子会社のJERNANOジャパンを日本で設立しており、今後日本での製品活用が見込まれています。
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カーボンナノチューブのこと。炭素でできているため金属よりも軽く、熱の通りも良い素材です。
カーボンナノチューブを活用したアパレルグッズ
このカーボンナノチューブは1991年に発表された素材なので、すでに多くの組織で実用化に向けた研究がされています。JERNANO開発「CNTフィルムユニット」の魅力
ではCNTフィルムユニットの魅力は何でしょうか?今回は重要な3点をご紹介します。5マイクロメートルの「超極薄」
CNTフィルムユニットは、非常に薄いフィルム状の素材です。その薄さはなんと最薄5マイクロメートル。つまり0.005ミリメートルほどと、想像しにくいほど薄いのがわかります。この薄さにより、ゴワつきが気になるインナーなどにも活用できるのです。
1㎡あたり5グラムの「超軽量」
CNTフィルムユニットは、薄い上に1㎡あたり5グラムという超軽量を誇ります。カーボンナノチューブ自体が金属よりも軽く、この特性を生かしたまま素材を開発できたからです。重さが気にならないため、ウールジャケットや電気毛布など「これ以上重くしたくない製品」にも活用できます。
電熱線にように折れない「超柔軟」
さらにCNTフィルムユニットは柔らかさがある素材で、1万回以上の折り曲げに耐えるほどの柔軟性があります。よって動きの激しいスポーツウェアなどにも活用が期待されています。また洗濯機での水洗いに耐えられる特性もあるので、常に衛生的に利用できるでしょう。
まとめ
寒い時期に重宝する暖かい素材には、ダウンやアルパカ、アンゴラ、ウールなどがあります。また人工的に作られた機能性インナーも広く利用されるようになりました。新しい温熱素材「CNTフィルムユニット」も、今後の活用が期待されます。製品の特徴が気になる方は、こちらもチェックしてみてくださいね。
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